ニューカレドニア観光局

「海をね、丸木舟をこいで、ずうっとずうっと行くんだ。するとね、地球の、もう先っぽのあるところに、まっ白な、サンゴで出来た小さな島があるんだよ。それは神さまのいる天国から、いちばん近い島なんだ。」(小説「天国にいちばん近い島」より)

「天国にいちばん近い島」と呼ばれるわけ

ニューカレドニアが日本で「天国にいちばん近い島」と呼ばれるようになったのは、森村桂氏が自身の旅行体験をもとに書いた同名小説がきっかけです。1966年に出版されて多くの人に愛読され、1984年には映画化(監督:大林宣彦 / 主演:原田知世)され、ブームをひきおこしました。 父親から「ずっとずっと南の地球の先っぽ」に「天国にいちばん近い島」があると聞いていた主人公。大学を卒業後、出版社に勤めながら、ニューカレドニアという島が南太平洋にあることを知ります。亡くなった父親が話していたのはこの島に違いない。そう信じて、まだ観光地として知られる以前のニューカレドニアへ、主人公はニッケル運搬船に乗って出発します。

今も小説の世界と変わらない風景、人々の生活がある

ヌメアにやってきた主人公は、この島のことを長く夢見ていた分、到着直後は、期待外れで失望することが多かったようです。しかし、心の温かい地元の人々との出会いが主人公の心を落ち着かせ、この島ならではの風景の美しさに気づかせます。火焔樹の真っ赤な花や、鮮やかな緑のパパイヤ、コロニアル風建築物が点在するヌメアの坂道など、主人公が発見する島の風景は、今もニューカレドニアに息づいています。そして、主人公が苦労しながらたどりつく離れ島で遭遇するのは・・・。ウベアやイル・デ・パンなど離島を訪れれば、太古から受け継がれる美しい自然と、メラネシアの素朴な生活を今も見出せることは感動的です。

小説の背景にある日系人の歴史

小説のヒロインが出会う地元の人々のなかに、明治時代に日本からニッケル鉱山で働くためにニューカレドニアに移住した日本人と、その子孫たちも出てきます。かつて本島東海岸の町チオでは、住民1800人のうち日本人がなんと1300人ほどだったときもあるそうです。戦前にニッケル鉱山で働くためにニューカレドニアに渡った日本人は、5千5百名以上にのぼります。この物語は明治時代から続く日本とニューカレドニアの歴史的な関係もさりげなく描かいているのです。
小説の最終章を締めくくるのは、チオから日本へ出航する船にヒロインが乗り込む場面です。ウベア島で感動的な体験をしたあと、彼女はこの島の土を初めて踏んだ時の印象を思い返しながら、本島の赤土こそがニューカレドニアらしいと結んでいます。
『ああ、この赤土の山、水気のない樹々、どうしてこれを見て失望したんだろう。こんなになつかしい色を』